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2018/09/22

ガンアンドトークス

考え過ぎちゃって話が広がりすぎて収集つかなくなるのは、
世界観について出したい部分アレコレ多い所為だと分かってはいるのです。
できれば続きも書きたい、そんなメタル兄とフラッシュ。
あとクイックよりもクラッシュよりも、何よりフラッシュのキャラが立ってないことに気付いた今日この頃。
フラッシュは冷静なのかそうでもないのか、決めきれないんだぜ。

続いた場合はワイリー博士とメタルで…

SF畑の友人鶴さん(仮)に、ロボット三原則ってなんぞやーって聞いてきて、
結構なえげつなさにヒッとなりました。




 しかつめらしい顔をしたフラッシュマンがやって来たのを見て、メタルマンは内心で来たな、と思った。
「おにいさまお話があるんですが」
 兄機体に対して丁寧さを慎重に選ぶあまり、フラッシュマンは時々妙な言葉遣いになる。
 兄弟随一の電子頭脳を誇るフラッシュマンである。言語理解を正しく行えていないという訳では、勿論ない。0と1のお堅い二進法領域における電脳言語はもとより、洗練された礼儀正しい言動も、様々な卑俗語にも精通している。
 フラッシュマンの受け容れる情報量は多いが故に、彼の好むところはメタルマンには理解不能な部分があった。清濁、と言うよりは汚泥の闇が深く濃いデジタル世界を容易く泳ぎ渡る彼の好みは、普段からやや砕けている――、有り体に言えば、言葉遣いが悪く、はっきり言えばスラングよりだ。
「なんだ」
「お願いがあるんですが」
「新しい未改造フレンダーなら、一機はウッドの補充分、残り二機は防火用配備。お前に回す分はない」
 先日手配した未改造のフレンダーを、フラッシュマンが狙っていたのは知っていた。前々から配備したいうちにも一機としつこく申請を出していた弟は、随分とあの犬型機体に執心の様子である。
 とはいえ、メタルマンには彼に傍付きが必要とも思えなかった。仮に、たとえば護衛としてつけるとしても、フラッシュマン配下が暴漢につけいる隙など見せようもないし、そもそも彼には番犬然とした兄機体がいる。やはり必要ない。
「……ッそ、れも気になってたけど、その話はまた今度…!」
「今度も何も終わりだ」
 きっぱりとはね除けると、低く舌打ちしたフラッシュマンが「一頭くらいいいじゃねーかけち」と呟いたのを聞きとがめ、メタルマンは反射的に手を伸ばした。べちんと音を立てて後頭部を叩く。
「じゃあなんだ」
「それ! それだよ! まさにそれ!」
 にわかに声を荒げたフラッシュマンが、珍しくメタルマンに食ってかかる。意外と小心な質である弟にしてはナイスファイトだ。しかし「それ」に思い当たる節がない。メタルマンは僅かに首を捻った。
「どれだ?」
 一瞬息を呑んだ後に、むぅと口を引き締め、フラッシュマンはゆっくりと己の後頭部をポンポンと叩いてみせる。示された行動の続きを促すように、もう一度小さくかぶりを振れば、フラッシュマンが迫る勢いで口を開いた。
「だァから、なんであんたヒトのことポンポン殴ンだってのよ、ハードにヒビいったらどうすんの、っつかそうじゃなくても手ェ早すぎるでしょうが!! せめて威力を下げるなり、一度目は警告をくれるなりの措置が必要だとおもうわけですよおれはね?!」
 一度にまくし立てられ、メタルマンは言葉を吟味しながら、「ああ」と頷きを返した。
 それをあしらわれたと感じたのか、フラッシュマンが不満げに鼻を鳴らす。
「兄さん方はどうだったか知りませんけどォ、俺ァ殴られるより言われた方が覚える性質だもんでね。殴り合いで解決されても困るっつか、むしろ殴られるたびにストレス溜まって仕方ねんですよ。パワハラだってもおかしくねーでしょうが」
 流暢に流れる言葉の速さと量に、余程不満が溜まっていたのだとメタルマンは感じた。話しながら、自然と歪められるフラッシュマンの口元が下がって行く。それを見て、自分の考えが合致していることと、フラッシュマンの表情の細やかさに、メタルマンはこのタイミングではあるが感心した。
「嫌がらせのつもりは無い」
「…そりゃ。分かってるけどさ」
 でもと言いたげなフラッシュマンを遮る形で、メタルマンは口を開いた。
「癖だ」
 長く、メタルマンは弟機に力ずくで言うことを聞かせてきたし、なによりそれは効果を上げた。
 最近では、殆ど回路が確立されてしまって、反射制裁の域に到っている。
 ねじ伏せてマウント取って、まるでサルかイヌか分かったものではない。野蛮であるのも承知の上で、効果があるなら構うまい、とメタルマンは思う。
 しばらく、何か言いたげに口をもごもごとさせていたが、フラッシュマンはやがて、呆れの滲んだ溜息を吐き出した。
「あのなー…言ってくれよ。あんたの話は、ちゃんと聞いてる」
 ぼそぼそと零されるフラッシュマンの言葉は、さっきに比べると随分と歯切れの悪いものだった。
 随分と言いづらそうにものを言う、その様子をじっと見つめていると、メタルマンの視線から逃れるような動きで、フラッシュマンはうろうろと視線を彷徨わせる。挙動不審であると告げれば、今度は睨まれた。
「話はちゃんと聞いてる。聞く気がある。……あいつらだって、もうあんたの言葉は聞いてるじゃねえか」
 徐々に声が小さくなるフラッシュマンの頬が、じわじわと紅潮していく。感情につられるのか、単に焦って排熱が上手く行かないのか(つまりそれは感情と連携しているという言うことだが)、ほのあかい弟機の頬を見ながら、メタルマンはぱちぱちと瞬きを繰り返した。
 話をしようと弟は言う。
 話を。
 メタルマンはフラッシュマンの主張について、たとえば威力低下のすすめや執行猶予について一考し、その内側にある、彼が、いや彼ら弟たちが、メタルマンの言葉を聞くという、その言葉の意味を考えようとした。
 それを遮るように、すくなくとも、とフラッシュマンの呟きが、メタルマンの聴覚センサーを打つ。視線を向ければ、真っ直ぐとこちらを見るフラッシュマンの、目とあった。

「俺は、聞くから」

 メタルマンはフラッシュマンの主張に対する様々な考察を、一旦止めた。
 だから頼むよと言う、フラッシュマンの声を聞いたからだ。
 感情が細やかにセットされているフラッシュマンが、常に捻くれた、あるいは巫山戯た物言いをするのが彼なりの照れやら甘えだと言うことをメタルマンは理解している。
 その弟機が、苦手と言うよりはどうにも抵抗があるらしいのは、率直な物言いだ。語彙の少ないクラッシュマンや、素直なウッドマンの語り口にも似た、真っ直ぐな物言いだ。
 慣れないことをして、挙げ句自滅して恥ずかしさに耐えかね、フラッシュマンの声が小刻みに震えて掠れたのを聞いたからだ。
 もう半分くらい笑ってしまっているのは緊張に耐えられないからだろう。複雑な感情経緯を感心する傍ら、厄介なものだと思いながら、メタルマンは目元を緩めた。

「…留意しておこう」

 

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