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2020/07/11

夢のフレンダー2

暑くて色々だめになって居て申し訳ありません。
うーあついっていうか、だるいー。外は暑いけど電車の中は寒いのがまた困ります。
元気のない時はフレンダーに限るので地味に続きです。

あと蝉の襲撃に怯えて暮らしています。
どうしていきなり動き出すんだい…?おまえ死んでたんじゃなかったのかい?
いちど蝉爆弾炸裂されると疑心暗鬼になってしまって、傍をもう通れません。
生死不明の蝉に三度ほど廊下を遮られている…そのうち一回は見間違いだ。迂回するから平気だぜ。
とか思ってたら部屋の前に…!
うううう動かないよねっ動かないよねっ(動きませんでした)
でも怖いから柱と柱の間の狭いところから通る

パチパチいつもありがとう御座います!
まだまだ暑いですが皆様お体にはお気をつけ下さい!



「基本動作を確認させてくれ」
 モバイルコンソールを動かして、ホログラムビジョンを立ち上げ、フラッシュマンは静かに自分を見上げる黒いフレンダーに告げた。
「馬鹿馬鹿しいと思うかもしれんが、大事なことなんだ」
 静かな光を称えるアイセンサーを見つめ、諭すように告げると、ピンと立った長い尾を先だけ揺らし、フレンダーは「早くしろ」と地面を軽く掻く仕草をみせた。
 急かす仕草を受けてもたじろがず、フラッシュマンは黒いフレンダーの方を見る。
「待機」
 軽く手を見せ、ステイを命じる。もとよりフラッシュマンは命令することは慣れている。毅然とした命令に、途端に仕事の顔になった黒いフレンダーは、さっと体を落ち着け、待機姿勢を取った。オンオフの見極めが的確だ。
「伏せ」
 サッと態勢を低くしたフレンダーにフラッシュマンはひとつ頷く。
「そのまま前進。よしいいぞ。ジャンプ。よし、右、左、よしよし優秀だなおまえ」
 矢継ぎ早な命令にも、戸惑うことなくフレンダーは応えて見せた。調教に問題がないことを、些か残念に思いながら、ぐいぐいとその額を撫でてやる。
「じゃあ次だ。お前の配備先を俺は聞いてないが、小型だしな、情報奪取とかが主になると思う。記録媒体や、重要書類を運ぶに辺り、トレーニングが必要だ」
 ウチは足場が悪いからいいトレーニングになるぞ、と言い置いて、粛々とフラッシュマンは棚からオレンジ色のトレーニング用品を取り出した。直径三十センチほどの、プラスチック製の円盤だ。
 見たこともないそれをじっと見つめるフレンダーの鼻先で、それを左右に振って動かし、フラッシュマンはいいか、と含めるように言った。
「これは大事な重要機密の入ったケースだと思え。デリケートなものだから落としちゃ駄目だ。だけど向こうさんはお前に渡すならと破れかぶれの手に出るかも知れん。でもお前はそれを取ってくるのが任務だ」
 オレンジ色の円盤を指先の上で器用にぐるぐると回すと、それを追ってフレンダーの鼻先が微かに動く。どうやら興味を持ったようだと確認して、フラッシュマンはそれを思い切り投げた。
「そら行け!」
 投擲された円盤は、壁も床も天井も、ブルーに彩られたフラッシュマン基地で、よく目立った。
 鮮やかに飛んでゆくオレンジを追って、駆けだした墨色のフレンダーは、三歩目で滑る床に脚を取られ、制御を失って体を折った。崩れた伏せのような状態で、つるつると慣性のままフレンダーが滑って行く。
 遠くでオレンジの円盤はぺしりと壁にぶつかって落ち、フレンダーはショットマンを巻き込んで静止した。
 その間中、フラッシュマンは手元のカメラでばしばしとシャッターを切っていた。
 走るフレンダー。滑るフレンダー。転ぶフレンダー。目を回しても、制御を失ってくるくる回っても。
「あああマジフレンダー…」
「…隊長」
 下手をすれば、おれのカメラが火を噴くぜとでも言い出しかねない連射速度である。
 容赦なくシャッターを切りまくるフラッシュマンは、最早コマ漫画を作ることも可能かと思われた。よく磨かれた望遠レンズは、滑ってショットマンごと壁に激突したフレンダーが、姿勢を建て直して、しかし足場の悪さで四苦八苦、つるりつるりと足を滑らせつつも急いで円盤を取りに行く様を、しっかりとカメラに納めている所だった。
 ああ、滑るまいと四肢を踏ん張る様のかわいらしさ。滑っても転んでも任務を遂行しようという姿勢のなんといういじらしさ。小型化されても、いや、されたからこそ、後肢のフォルムの流線美はより完璧だ。フレンダーはかわいいなあ。
「隊長、差し出がましいようですが」
「なんだ」
 巡回の交代を済ませたばかりの、現在は非番であるフラッシュ配下のジョーが、控えめに声をかけてくるのへ、フラッシュマンは声だけできりりと返事をした。その間もシャッターを切ることは忘れない。
「連続撮影をなさるならば、ムービーの方が都合がよいのではないでしょうか」
「いい質問だな、よく見ている」
「は、ありがとうございます」
「しかしだな、おれはフレンダーの動画を撮りたい訳ではないのだ。これはホームビデオとは違うのだ、分かるかね」
「は、記録撮影でありますね」
「そうだ。無論動画には動画の良さがある。しかし一瞬一瞬のフレンダーの動作を切り取ってこそ、おれは真に博士のお力になれると信じている」
「ご立派です、隊長」
 ああ部下ってかわいいなあとフラッシュマンが思ったのは確かであるが、尚もカメラが執拗にフレンダーを追いかけるのを止めないのは仕方がないことだった。仕方がないのである。
「もう滑らずに走っています」
 オレンジ色のフリスビーを見事に口で拾ったフレンダーが、慎重に、転ばずやって来るのを見て、フラッシュマンはジョーともども目を細めた。
「博士は偉大だな、ああフレンダーまじかわいい」
 漸くカメラのファインダーから目を離したフラッシュマンは、たかたかと小走りに戻ってきたフレンダーを両手を広げて待ちかまえた。
「よーしよく戻った!」
 喜びも露わにフラッシュマンは両手を広げて待ったが、じっくりと慎重にやって来たフレンダーは、たとえば青い従来機体のように、勢いのまま飛び込んでフラッシュマンを薙ぎ倒すような事をしなかった。
 フラッシュマンの前できちんと静止し、きりりと待てのポーズを取る。
 そして、あくまでお仕事ですというクールさで、オレンジ色のフリスビーを差し出すのだった。
「……そういうクールなところも好きだよブラックフレンダー…」


 

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2010/08/26 小説 Trackback(0) Comment(0)

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