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2018/09/22

ワイルディング


8/7はバーナーの日!
ということでバーナー更新です。
マジックがついてくるのはセットだからですねっ
でもcp色は少なめ。

KGNは改造組と純製組と後期参入組とばらつきがあるので、各々の力量や特性をを把握するために、初対面から一ヶ月くらいは通り魔が横行してたらいいなと思う。


 新しいメンバーが増えそうだという話を聞いたのは、バーナーマンが自身の運用にまだ手探り状態の頃だった。
 しばらくして遠目から見かけたとき、なんだかごてごてとした野郎だと思ったことは確かだ。しかし、さして興味を抱かなかったせいで、すぐに忘れてしまった。
 それというのも、その頃のバーナーマンは各地で森林破壊を行う為に方々を飛び回り、ろくに尻を落ち着けるどころではなく忙しかったからだ。
 件の嘘を実に重く、真に受けていたバーナーマンはひどく荒れており、正直、あまり多くのことに関心が及ばない状態だった。
 自爆機能が腹にあるという圧力は、実質的にバーナーマンを様々な意味で打ちのめしていた。
 脅迫が必要だと考えられていると言うことは、制御の利かない問題機体だということで、すなわち、キングの信頼がないに等しいと、そういうことだ。バーナーマンより先に造られた、あるいは改造を受けたどの機体も、バーナーマンのように脅迫を受けているものは無く、己のみが唯一の出来損ないだとも言えた。
 それをバーナーマンが、整理された思考として自覚していたかは怪しいものだ。
 しかし、自律回路を持って動く、所謂「感情のあるロボット」であるバーナーマンが、己の体を完全に己のものとして制御できない状況は、確実にストレスであった。
 そして、そのもやもやと明文化されないプレッシャーよりも、もっと分かり易いストレス、たかが爆弾ひとつに怯えを抱くこと。それ自体も、バーナーマンの戦士としての矜持を傷つけ、一切を焼き尽くそうとがむしゃらに暴れようにも、一時に暴れすぎては次の日に燃やす分がなくなってしまう。
 力をセーブしなくてはならないことさえ、バーナーマンには苦痛となり、日々つきまとう焦燥感を振り払う唯一の手段が不完全燃焼では、膨大なストレスは取り除かれるはずもない。悪循環のスパイラルに完全に嵌ったバーナーマンはすさんでいた。
 バーナーマンが最も鬱屈とした日々を送っていたのが、その頃だ。
 やがて事態が二進も三進もいかぬ程に深刻化してから、キング本人に当たり散らすに至り、ようよう事実を撤回されて、はじめて、バーナーマンは周囲を見渡す余裕が生まれたのだった。

 見慣れぬ機体だ。
 全体的に細長い。手足が細く、戦闘型としては重心が上に過ぎる。ごてごてと変な形状の装備がくっついているが、それらはことごとく、銃火器ともブースターとも違うようで、サーモセンサーは高温領域を感知しなかった。
 攻撃用の装備で無ければ、装甲だ。しかし、その色々と不都合のありそうな形の装甲らは、肩回りや上半身を厳重に覆っているばかりで、コアや駆動系等が置かれる腹部に至っては無防備も甚だしい。
 いや、その細身過ぎる体幹からいって、もしかすると重要臓機は胸部に移動してあるのかもしれなかった。だが、それにしても腹から折り畳んでしまえばあっという間に破壊できてしまうではないか?
 そもそも、武器らしい武器と言えば、細い棒のようなものを右手に握っているだけだ。それも、頭に青いガラス球が載っている、どう見てもただの金属性の棒では、せいぜい殴打するに長さが手ごろ、というくらいしか利点が思いつかない。
 確かに近接戦では殴打にスピードが乗れば非常に有効だが、目の前の機体に殴りかかられたところで、簡単に払ってしまえそうな気がした。
 やはり戦闘型には見えない、だから違うだろう、とバーナーマンは結論づけた。
 目の前の機体は、繁華街で見かけた大道芸人が最もイメージに近いものだった。
「芸人かなんかか?」
 しごく一般的な感想を吐けば、目だけで笑った男は僅かにシルクハットを持ち上げてから、優雅に一礼をして見せた。芝居がかった仕草に目を取られるバーナーマンの前で、器用に杖をタテに360度、くるり回す。
「ではお近づきのしるしに」
 バーナーマンとの間に円を描いて回った杖が元の位置に戻ると、ふわりと光の球が宙に浮いた。青白く光る球は、杖に操られるように男の前に浮いており、杖の動きに沿って揺れ動く。
 ゆらゆらと頼りなげに浮いていた光球を、杖の先がくるくるとなぞると、それを追うように光球もまた回転を始めた。
 手首関節の柔らかく動く様を感心して眺めていたバーナーマンは、巧みに光球を操っていた男が、いつの間にか数歩下がっている事に気付いた。しかし、杖の回転を離れて自転を始めた光球が、その場に留まったまま回転数を増したのには、気付くのが少し遅れた。
「さあてお立ち会い!」
 ぱちん、軽やかな音を立てて男が指を鳴らしたと同時、音も無く膨れ上がった光球が炸裂する。
 弾けとんだ高エネルギー体は、レーザーの如く鋭く、バーナーマンの外皮を焼き、装甲を削り取った。バーナーマンの装甲は高温にはめっぽう強く出来ているが、厳密には炎と異なる光球の破片は、ごく小さな攻撃であったにもかかわらず、じくじくと内側を焼くような嫌な感触をバーナーに与えた。
「てめえ!」
 強く睨み付ければ、正面より右寄りへ移動した男は、手にした杖をくるくると弄びながら軽くため息をついた。芝居がかった様子で、大袈裟に肩をすくめる。
「お気に召して頂けませんでしたかねえ」
「いきなり何しやがんだってンだよ、ァア?!」
 ゴウと音を立てて向かったウェーブバーナーの射程には僅かばかり遠く、男は杖の先をわざと炎に滑らせた。激昂した様子のバーナーマンにも臆した様子は無く、むしろ揶揄う調子でふ、ふ、と笑う。口元の見えぬ様であるのに、不思議とそれが質の悪い笑いの類であることが分かった。
「いきなりだなんて、ハ、驚いて頂けたようで何よりです」
 ぽんぽんぽん、可愛らしげな音を立てて、手のひらから――としかバーナーマンのセンサーは感知できない――つるりとしたブルーのボールを続けざまに取りだした男は、杖を混ぜて順々に宙に投げてお手玉をしてみせる。
 やっぱり芸人じゃねえのかと思いつつ、バーナーマンは鮮やかな芸当にまんまと注意を引き付けられていた。思わずぱちぱちと手を打ったバーナーマンへ、男は目だけでにっこりと笑う。
 くるくると回したボールの隙間から、ステッキだけを掴みとり、ジャグリングを続けながらの流れる仕草で、次に落ちてきたボールを一打した。一連の流れを見つめていて尚、ただそれを見守ってしまったバーナーマンは完全に向こうの術中にあり、つやつやとしたボールの表面が数メートルに迫ってきて漸く、ウェーブバーナーをセットする体たらくであった。
 空間をうねって進む黄緑の炎が、横からボールを払う。あっさりと二つに割れたボールは炎に包まれ、燃えカスが床を転がった。
「あらハズレでしたね」
 お手玉を続けていた男が、アラマアと気の抜けた声を出す。
「手前ェなア、なんだってンだ!」
 ぐるりと腕を回して射程に踏み込み、右腕の火口を開放しながらバーナーマンは踊りかかった。
 男の頭上から、炎の一閃を振り下ろす。ごうと鳴る超高温の黄緑が、抉りとった床石もろとも飛び散った。そこに芸人然とした男の姿はない。
 バーナーマンは直ぐさまその場を飛び退いた。それと入れ違うように、雨あられと降りしきるトランプカードが、強固な床石にさくさくと突き刺さり、通路はあっという間に無惨な様子を晒す羽目になっていた。
 いつの間に移動したのか、吹き抜けとなった階上の手すりにマジックマンが立って、軽くシルクハットを上げて会釈をする。
「申し遅れました。私KGN006マジックマンと申します」
「……006?」
「ええ。どうぞお見知りおきを」
「そうか。芸人じゃねえのかよ」
「芸人ですとも」
 赤いフレームの向こう側、目だけで完璧なスマイルというものをしてみせたマジックマンが、ぱちんと指を鳴らすと、床のトランプが白い煙と共に姿形を消した。時限爆弾だろうか、と訝るバーナーマンの前で、始まりと同様、マジックマンは優雅に一礼をすると、ひらりと手すりから姿を消す。
「本日はご挨拶まで」
 ご機嫌ようと足した男が、階上の通路に降りただけなのは確かなのに、バーナーマンのあらゆるセンサーは、そこに何かがあることを突き止めることは叶わなかった。
 キツネに摘まれたような気持ちのまま立ちつくしていたところへ、いつのまにか背後に立っていたコールドマンが「壊したら片づけろ」と掃除道具を押しつけてきたので、バーナーマンは自基地に戻るのが半日程遅れることになった。



・おまけ
冷気と燃焼の会話はツッコミが居ない
「…今のおてしらべとかいうやつか」
「お手か。するのか。犬か」
「誰が犬だ。手前ェが犬だ」
「誰が犬だ。こてしらべだ」
「こてってなんだ」
「倒れる音だ」
 ちゃんと付き合ってる振りして、ちゃんと教える気は無いので適当なことを言う。
 

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2010/08/07 小説 Trackback(0) Comment(0)

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