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2018/07/19

夏になるとね

意外と好評だったけど調子に乗って良いのかどうか、放置してたんですが試しに投下。
苦手な方には大変申し訳なく思っております。
ちなみに受けの女装は似合わなくてなんぼだと思っておりますよ。まじでまじで。

【注意です】
・ここはどこでいつなのかは定かでないので取り敢えずタイムマシンにシルブプレ。
・女装というかロボに服というかメットレスとかメットオンとか
・今度は隊長も犠牲です
・隊長より手品の方が余程げすくて慎みとか恥じらいとか忘却の彼方な感じを目指しています
・例によってはしりがきです。

まだアタマあったかいのかったら、そら夏だもんねえ。どんどんあたま沸いてく季節ですよ。
めでたくてよろしいじゃございませんかごめんなさい。

 



「…いいんじゃねえの? 我ながら中々の出来映えだ」
「とてもすてきよ! 鏡見る?」
 回って回って! とはしゃぐロールの要望に応え、それではといつも通りにマジックマンが大きく礼をしてみせると、途端にふたりからストップがかかった。
「それ違うだろう。ジェントルじゃなくてレディの礼をしろ」
「ただでさえ身長があるんだから、殊更エレガントを心がけて貰わないと」
「十分に優雅だと思いますが?」
 スーパーモデルの気持ちよ、と実に真面目な顔で諭され、どんな気持ちだとマジックマンは視線を遠くへ投げる。
 睫毛が邪魔で視界が狭い。
 目蓋を持ち上げようとすると、先程二人がかりで接着されたつけまつげが重く、アイセンサーの斜め上辺りにあるネジが微かに軋むような感触がある。普段そんな箇所を意識したこともなかったが、目蓋調整の繊細さを初めて知った。
「どうも、アタマに何やら乗せていないと落ち着きませんね」
「ウィッグ被ってるじゃない」
 額をコツコツと指先で突きながら尋ねると、ロールは不思議そうに首を傾げた。
「いえね…」
 マジックマンが物憂げに言い淀むと、その面持ちに釣られてか、ロールも心配げに表情を曇らせた。
 しかし、どうにもアンニュイな様相になってしまうのは、先程ボリュームが足りないと言ってフラッシュマンがつけまつげを二枚重ねたせいで、特に思うところがある所為ではない。
 重いと言っても、一グラムあるかないかの筈だが、何やら気になる。正面を向く分には何ともないのだが、視線を動かすと気になる、と言うことは、恐らく接着剤がはみ出して、つけまつげ以外の場所も接着されているのだろう。
 微々たる重さながらも、普段使い慣れないところに掛かる負荷は大きい。大して力があるわけでない目蓋を調節するジョイントは、たった数グラムのつけまつげと接着剤の負荷によって、重力に負けてしまう。結果、どうしても伏し目がちになってしまうのだった。
「その、コレはどうも具合が悪いのですが。暑いし。人前で外しちゃ駄目なんでしょ」
 こういう感じとか、とロールと同じ色をした人工毛髪の隙間からハトを二羽程引っ張り出してみれば、呆れたような沈黙に迎えられる。こいつは手厳しいぜお嬢さん。
「当初の予定を忘れてないかしら?」
「えーと、嘘です嘘嘘。忘れてませんとも、ええ」
 じったりとした疑いの眼差しに満面の笑みで応えると、呆れた様子のロールは、ちょっと待っていてと告げ、部屋を後にした。
「ブラジャーがオッケーでヅラがアウトって何なの」
「そう言いますけどね、ちょっと被って下さいよ」
 呆れた様子なのはフラッシュマンも同じで、腕を組んでしみじみと呟かれては、どうにも面白くない。簡単に固定しているだけのかつらをぞんざいに外して、投げるようにフラッシュマンのアタマに乗せる。
「おい止せ、あつい」
「アラお似合い」
「あんがとよ」
 投げ遣りに言葉を返したフラッシュマンがかつらを外そうとするのを、さっと手を伸ばして手早く留め具を固定する。後頭部に金具を引っかけて、ちょっとやそっとでは落ちない状態にしてから、マジックマンはにかりと笑顔を浮かべた。
「さあてどうせですから貴方もちょっと変えてみましょうよ」
「どうせってなんだよ。やだよ」
「そう仰らず」
 渋面を浮かべるフラッシュマンに、マジックマンはおもむろに足払いをかけた。妙な滞空感を漂わせてフラッシュマンが尻餅をついたところへ、逃がすまじと馬乗りになる。
「いっ…、ぉおおい! 乗るな! エレガントだろ、ロールに言われたろ、はしたねえ!」
「あら野暮なことを仰るのね。女性に恥をかかせるなんてひどいわ」
 人差し指の背で唇を押さえ、目線をそっと外す。わざとらしいくらいにシナを作ってみせれば、おぞましいのか呆れたのか、フラッシュマンがぎくりと体を強張らせ、嫌そうにマジックマンを見た。
「吐き気がする…!」
「配線絡まってンじゃありません?」
 フラッシュマンが、ひっくり返る手前でマジックマンにのばした手を、びくりと一度強張らせて止めたのは分かっている。思った以上に簡単にひっくり返ってくれたのは、その所為だ。
 ロールの用意した服や、念入りに施した塗装いや化粧が台無しになるかも知れないという考えが、マジックマンを投げるという動作を躊躇わせたのだ。そしてフラッシュマンなら必ずそうくるだろう、と踏んでいた。
 しかし、マジックマンのあずかり知らぬ所ではあるが、フラッシュマンがマジックマンの胸ぐらを掴むのに躊躇ったのにはもっと即物的な理由がある。
 ささやかとはいえど、二つの膨らみ、所謂ところの胸だとかおっぱいだとか言う視覚的な情報は、「目の前にいるのは浮かれぺてん師である」という情報に一時的な補正をかけた。つまり判断基準が狂ったと言うよりは単純に触る場所に困ったのである。
 いかなそこに詰まっているのが、自前の緩衝材であると分かっていても、フラッシュマンのバックボーンといえば、人間社会で言うなら男親と男兄弟に囲まれて育ったようなものだ。免疫がないとも青いともピュアとも言える反射的な硬直を、うぶやらおくてやら、ましてやチェリーだのと評するのは非常に忍びない。
「あたくしに任せて。ね、あなた、決して悪いようにはしませんわ」
「ビッチだ!」
「何をいまさら」
 ははは、大口を開けて笑いながら、マジックマンは手っ取り早くフラッシュマンの両肩の装甲に手をかける。途端強まる抵抗を器用にかわしながら、ふふふ、とフラッシュマン改心の出来映えの顔で爽やかに笑う。
「さ、大人しくしてたら世界で一番綺麗にしてあげますからね」
「じゃろにでんわしろ!」

あんてん。

 

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2010/07/23 小説 Trackback(0) Comment(0)

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