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2024/04/19

スネフラ小説を頂きました

蛇光といえば! の、
gaslight_red 現さまより、スネフラ小説を頂きました…!!

それも蛇が先輩機で、フラッシュが後継機という逆転ものを!
お見かけしてからずっと他のも読みたかったんですよー
現様宅の蛇光はしあわせで本当に大好きです。
どのverでも蛇が本当格好良いんですよ… もう、床にごにょごにょのたうち回るくらいですよ!
ご存じですよね! すみません自慢したくて!(笑顔)

現様、リクエスト権ありがとうございました!
早速飾らせて頂きます~

向こうの世界で


フラッシュは森のなかを小走りで駆けている。
ここが自分のナワバリであると主張する、あの先輩機を探しているのだ。
なんとはなしにここで顔を合わすことが多くなって、会話も少なからずかわした。けれどもここ数ヶ月は任務ですれ違うことが増えたのか、顔を見ていない。
寂しい、と思う自分に慌てる。
そうやってとぼとぼと敷地内を歩いていたフラッシュに、クラッシュが告げたのだ。
『さっきスネークマン先輩が来たんだよ。俺はじめてしゃべった』
うらやましい、と単純に思った。次いで、自分を呼び出してはくれなかったのか、と落胆した。ただの後輩よりは、少しは特別に感じてもらえているのかと思っていたから。
だから、フラッシュは木々に囲まれ駆けている。
基地に来た時間から考えるに、次の任務にはまだ出ていないはずだ。
近くにいるというのなら、ナワバリで休んでいるのかもしれない。
休んでいてほしい、そう願いながら足を動かす。
そうして、湖のほとりでだらりと横になる緑色の機体を見つけたのだ。

「スネークさん!」
長く駆けたためか、久しぶりに会った昂揚からか、排気のリズムが乱れた。
そんなフラッシュをちらりと横目でうかがって、スネークは横にしていた身体を起こす。
「よう。どうした」
笑われてはじめて、フラッシュは自分が先ほど大声で名前を呼んだことに気がついた。
初対面のときにうるさいと言われて以来、スネークと話すときは殊更言葉を選んでいた。音量はもちろん控えめだ。
熱くなる頬をこすりながら、スネークの隣に腰を下ろす。
「……大声出してすいません。久しぶりだから」
あれほど見たいと思っていた顔を直視できずに、フラッシュは目を伏せる。「そうだな」とスネークは一言告げて、そしてまた横になった。
会話という会話はない。
スネークとフラッシュが会うときはいつもそうだった。陽だまりにたまる猫のように、ただ同じ時間を共有するだけだ。
けれど、今日は違う、とフラッシュは内心しょんぼりとする。
何が違うのかはわからない。けれど、スネークがどこかしら機嫌が悪い。そしてその理由をフラッシュに言う気はないのだろう。目をつぶる眉間にしわが寄っていた。
流れる沈黙の重さに耐え切れず、フラッシュは幾度か口を開こうとする。
そしてそのたびに唇を噛んだ。
スネークの休憩を邪魔するくらいなら、俺が消えた方がいい。フラッシュはそう思うのに、それでも近くにいたくてその場を立ち去ることができない。そして沈黙にも慣れることができなかった。

「おまえメタルマンと仲いいな」
唐突に告げられたスネークの言葉に、フラッシュは息をのむ。
「え」とだけ発した唇は、その先の単語を紡げずにふるえた。
スネークがぶっきらぼうなしゃべり方をするのはいつものことだが、こんなふうに笑顔のないのは久しぶりだった。それこそ、初めて出会ったときに舌打ちをされて以来だ。
怒っているのか。呆れているのか。
よくわからなくてフラッシュは泣きそうになる。
なんだかわからないが、このひとの不興をかうのは嫌だった。
「……兄弟機、ですので。任務内容もかぶります」
言い訳のようなものが口から流れる。
そしてそれを遮るようにスネークから失笑が漏れた。
「抱きつかれたり首筋にキスされたり?随分とコミュニケーション過多だ。俺は頼まれてもあいつらとそんなもんやる気はねえな」
「あ、あいつが特別なんです!」
油断すると後ろから襲われるのだ、と告げたくて寝転がるスネークの顔を覗きこむ。
すると、フラッシュの目に鋭く光るスネークの両目が突き刺さった。
「特別」
へえ、と笑う顔はいかにも蛇の名を冠するにふさわしい残虐な笑みだった。
フラッシュは恐怖でぞくりとすると同時に、格好いい、と見蕩れる。
「特別なら仕方がないのかな?」
そうやって目を細めるさまは捕食前の蛇のようだ。
震えだす身体を抑えこむように、こくんとひとつ唾を飲む。しかしそのタイミングを見計らったのか、顔を覗き込んでいた身体を背中から引き寄せられ、バランスをくずしたフラッシュはスネークの身体の上に倒れこんだ。
瞬間電流が走ったのかと思うほどに頭が真っ白になる。フラッシュが震える腕で身体を起こすと、スネークにひたりと視線を合わせられた。
顔が、ひどく近い。
「唇にもキスすんの?」
ぶんぶんと首を横に振る。実際はメタルに何度かされたことがあるが、あんなものキスに入らない。よほど今の状況のほうが思考回路を狂わせた。
「しないんだ?トクベツなのに」
「……特別、ブラコンなんです」
「おまえが?」
「メタルがです!」
震えだす身体は声をも波立たせた。
スネークは唇をふるわすフラッシュを見て何か言いかけようとして、やめた。
「……ふーん」
そう言って、上体を起こした。自然と抱きつくような格好になって、フラッシュは声にならない悲鳴をあげる。
「ほんとっ、ブラコンで!兄弟全員が迷惑してるんです!抱きつかれたり尻なでられたりなんて日常茶飯事で」
「ちょっとだまれよ」
少しほぐれたと思った空気が再度かたまる。
寝ろ、と横にころがされて、あわあわと身を起こそうとする。しかし胸を軽く押されて、フラッシュは再度仰向けに転がった。
脚部にずしりと重みを感じる。
「前からいい枕になんだろうなあと思ってたんだ」
あくびまじりのスネークの声に、フラッシュは返事もせずにただ身体を硬直させた。
夕暮れはじきに夜になる。
こうやって寝転がっていられるのも、そう長い間ではないだろう。
このひとの枕でいれるなら、なんだってするのに。フラッシュは唇をかみしめた。
でも、できるなら。
抱き枕がいい、とか。
恥ずかしい思考に思わず奇声が飛び出て、身体を浮かす。
そんなフラッシュをいぶかしげに眺めた後、「うるせえ」と一言スネークはつぶやいたのだった。


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2009/07/29 頂き物 Trackback() Comment(0)

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