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2024/04/20

通り魔歯科検診

4/18は良い歯の日でしたね。
今は虫歯は無いと思いますが疲れていると歯がむずむずします。

フラッシュが一人で大変なシリーズです。
兄どもとわあわあやってたら途中で力尽きました。
ので、中途半端に終わっています。
よだれに定評のある管理人です。

近況
ちまちまモンハン2Gをまだやっています。
ガルルガ一式! 剣士もガンナーも揃ったぞ!
防音珠も足して高級耳栓も対応済みだ!
だけどど共通の頭に達人珠がついてるあたり何も考えてないと言わざるを得ない。
早くスキルではなくて好きなかっこをしたい。いやガルルガシリーズも好きだけど。

いつもぱちぱちありがとうございます。
昔の記事にも! ありがとうございます。
カウンタ置いてないので、ああ、見て貰ってる、と嬉しくなります。
がんばります。




 ミーティングルームに顔を出すと、メタルマンとエアーマンが神妙な顔をつきあわせていた。
 長兄と次兄の会合に碌なものはない、とフラッシュマンは経験的に知っている。不穏なものを察知し、フラッシュマンはドアが開ききる前に壁の手動開閉ボタンに手を伸ばした。
 しかし、メタルマンがブレードを投げる方が早かった。
 耳障りな擦過音をたて、空間をブレードが走る。その軌道上に己の伸びた腕があり、フラッシュマンは慌てて手を引っ込める他無かった。ホールドアップの姿勢になったフラッシュマンの顔の真横、聴覚器を掠めてすっ飛んでいったブレードは、背後の鋼鉄製の壁にさっくりと突き刺さり、回転を止めた。
 背後を振り返り、深々と刺さったブレードを見て、フラッシュマンは言葉もない。あれが自分に刺さったらと考えると、体の内側が縮むような感覚を覚え、心なしか内間接が軋んだ。
「……いつもながらスバラシイ切れ味で」
 口元だけの薄ら笑いをフラッシュマンが長兄に向ければ、メタルマンはいかにもと頷く。
「研ぎたてだ」
「デスヨネ。出来れば俺のいる方に投げないで欲しんですが」
「お前のいる方に投げたんじゃない。お前がドアを閉めないように投げたんだ」
「尚悪ィ! 当てるつもりじゃねえか!」
 まるで悪びれるないメタルマンは、その上、噛み付くフラッシュマンに呆れた視線を向けた。
「当てなかっただろうが」
「俺が避けたんでしょ?!」
 避けられたから良いようなものの、尚も食い下がれば、メタルマンはフラッシュマンの方に少し首を傾げ、エアーマンのほうを見た。フラッシュマンの前で顔を見合わせた兄二人は、お互いにやれやれと言いたげに肩を竦め――エアーマンには肩はないので、両腕が持ち上がっただけだが――て見せた。感じが悪い兄どもだ。
「失敬な奴だな。自分の投擲精度がCだからといって俺まで同じだと思うな」
「俺はB-だ!」
「要するに当たらないんだろう」
「大体な、ァッガ」
 会話の最中開いた口に、何のインフォメーションもなく唐突に人差し指を差し込まれて、フラッシュマンはグエと喉の奥でうめいた。
 たとえ弟相手いえど、出し抜けに他機の口に指をつっこむ輩はそうそういない。野蛮な兄機は、フラッシュマンが呻くのをものともせずに、更に中指と親指を隙間からねじ込むと、無理矢理に口を大きく開かせてきた。
「がっ、ぁいすン、」
「エアー」
 抗議を聞く気がないのは相変わらずで、大きく開けたフラッシュマンの口内を見据えたまま、メタルマンはエアーマンに呼びかけた。
「いつでも」
 後方で左腕内臓のモバイルコンソールをクリップボード状にホロビジョン展開させ、タッチ記入する構えでスタンバイしているエアーマンが平坦に答える。フラッシュマン側からは反転した歯列図が見えた。
 今日も助け船を出す気はないらしい次兄を、フラッシュマンは恨めしげに睨む。

「一番マル、二番欠損、三番から十六番までマル、下段に移行。十七番から……二十九番までマル、三十番三十一番ヒビあり、三十二番マル、舌鋒に僅かな裂傷あり。……まあ良いだろう。損上部は早めに接いで足しておけ」
 右上からぐるりと右下まで歯を確認したメタルマンは、用は済んだとばかりフラッシュマンの口から無造作に手を抜いた。メタルマンが手を拭った布をひったくり、フラッシュマンは己の口内補潤液で顎まで濡れた顔を容赦なくごしごしと拭く。
「フラッシュは、ま、る、と」
 呟きながらコンソールを太い指で操ったエアーマンが、フラッシュマンの方を何気なく伺う。
「欠損多くないか?」
「クイックに言って下さい。っつかなんなのとつぜん」
 俺は怒っていいとおもう、ほんと何なの信じらんない会話ってなに文化ってなにコミュニケーションスキルはアンインストールされちゃったんですか、園児もびっくりなおにいさまの未開ぶりに俺はむしろ悲しんだらいいのかしら博士に言いつけてやる。
 とフラッシュマンは思ったが、とてもではないがそんなことを言えていたら今頃フラッシュマンは実権を握っていたであろう。それが出来ないからフラッシュマンであり、それを許さないからメタルマンである。
 要するに思うだけに留め、心の中で卓袱台を盛大にひっくり返しながらフラッシュマンは布きれを無造作にエアーマンへ突き返した。
「昨日ヒートが黒煙がっつり吐いてな。口腔メンテしたらゴミが残って煤だらけで、あれは相当メンテさぼってるな。念のため見て回ってる」
 困ったもんだ、とエアーマンはどうでも良さそうに言う。彼には口も歯もないので、興味がわかないのかも知れなかった。押しつけられた布きれを右から左にメタルマンへ戻してから、エアーマンは歯列図の並ぶデータをホロビジョンのまま、はい、とメモのようにフラッシュマンに差し出した。
「……なにハイよ」
「クラッシュがまだだ」
 思わずデータを受け取ってしまってから、訝しげにエアーマンを見ると、代わりにメタルマンが口を挟んだ。
「見つけて口開けさせて歯の状態みといてくれ。で、煤がたまってたら」
 続いて差し出された銀色のブラシを、フラッシュマンはじっと見つめてしまった。
 金属ブラシだ。
「セラミック歯が欠けちゃう」
「ヒートとクラッシュの歯は特注で高価いからあまり欠くと馬鹿にならんのだがな」
「いや、だから、金属ブラシじゃ強ェと思う」
 ナイロン製で十分ではないかと言いかけたフラッシュマンを遮って、エアーマンがぼそりと呟く。
「お兄さまのお仕置き込みだ」
「……そういうことばっかやってっから歯磨き嫌いになんだよ。ていうかやめてあげてよ」
「なまじヒートには効果があって」
「ほんとやめてあげて下さい」



 

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2011/04/26 小説 Trackback() Comment(0)

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