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2024/04/25

しげきぶつです

最近気付いたことですが、腹が減っていると、沸点が著しく下がります。
元々短気な導火線が三分の一スケールに!

【注意】
 ・ばれんたいんでーです。
 ・バナマジです。
 ・いつもの如くげひんですが、特になんて事もない。

そういうわけで仕事のアレコレで機嫌が悪いので元気が出る言葉を下さいと友人鶴さんにメールしたところ、
「チョコ=旨いという認識プログラムがないのに大量に客(男)から本気チョコを貰い困るマジックとそれを回されるバーナー」
というメールが来ました。
何そのバナマジ! 凄い元気になった!
鶴さんは付き合い長いのでピンポイントに萌を投下されてこまります。うそありがとう!
ようするにネタ提供は鶴さんです。ありがとうございました。

そしてカントリーマァムたべたら本気でむかつきが落ち着いた。子供か。どうぶつか。

拍手いつもありがとうございます。
おなかがすいてないときは元気です!
 



「これを」
「君に」
「いつも楽しみに見ているよ」
「これ良かったら」
 入れ替わり立ち替わり、差し入れと称して、細々とプレゼントが届けられている。
 KGN基地からほど離れたカジノで、一般ロボットに変装したマジックマンが、趣味と実益を兼ねたバイトを始めて暫く経つ。差し入れを貰うこと自体は初めてではないのだが。
「……ありがとうございます」
 中身など見なくてもわかる日にちに、どれもこれも明らかに上等な貢ぎ物を並べられて、マジックマンは「嗚呼ニューセントラルとは名ばかりの所詮田舎じゃ多少毛色が違うだけでモテちまって仕方がないですね」と腹の底で適当なことを考えつつ、表面上はにこやかに微笑んだ。
 たとえその中の一体でも女性だったら、いやせめてウーマンモデルだったら、もう少し心が浮き立ったものを。残念ながらというか何というか、実態はむさ苦しいことこの上なかった。


「バーナー」
 キング基地の広い回廊を、作戦会議室へ向かっていたバーナーマンは、ふと呼び止められて振り返った。階上の廊下にいたらしいマジックマンが、が吹き抜けのホールを覗き込んでいる。
「なんだ、」
「あのね」
 上へ向かって返事をしたバーナーマンは、直後に真横から返った返事に、文字通り飛び上がった。反射的に3メートル飛び退き、一秒まじまじとマジックマンを凝視してから、再び傍へ行く。
「びっくりさせんなよ」
「いつ見ても良い反応ですねえ」
 満足げにうんうんと頷いたマジックマンは、御褒美とでも言い出しかねないタイミングで、思い出したように手をパンと叩いた。軽やかに合わされた掌から、常の鳩と同じ調子で小さな箱が飛び出す。
 しっとりとした濃紺の包み紙に、鮮やかな赤のリボン。包みを両手で支えたマジックマンは、ハイ、バーナーマンに差し出した。
「差し上げます」
 がぼり、とコア付近でエネルギー挙動の不均一な音を聞いた。ガス供給管のリミッターがばつばつと切れ、黄緑の炎が勢いを増したとしても、無理はなかろうと思われた。
 バーナーマンは知っている。
 極東の島国で製菓会社の陰謀に端を発し、女子の賛同を勝ち得て根付いた風習に、カカオマスから成る菓子折りを贈る行事があることを知っている。
「チョコレート」
「ご明察」
「ば…レンタインとかいう」
「そうそう。よくご存知ですね」
 まじ。で。思わず口走りそうになった。
 無論人間どもの浮わついた行事である。 しかしながら世界的な行事としてはやや偏りのある、だが基本的に今日二月十四日に贈られるチョコレートが意味するところ、製菓業界の戦術が展開されて久しいが、要するにこれはいわゆるチョコレート=愛の告白と取って差し支えないはずだがどうか!
「カカオ由来オイルとか、最近は固形燃料でもいろいろあるらしいですよ、…あれ」
 がぼぼぼ、ひときわ勢いを増したバーナーマンのパイロを一瞥してから、マジックマンは困った顔でブルーの紙に赤いリボンのかかった包みを手の中でくるりと回す。
「お嫌いでしたかね」
「大好きだ!」
「ああそれは良かった」
 内心でスライディングガッツポーズを決めたバーナーマンは、マジックマンの手語と、ブルーの包みをがっちり握った。
 寧ろ同じ色なら、今すぐこっちの包みを剥ぎたい。リボンも取って頭からばりばりと。
「貰い物ですけどどうぞ」
「ちょっ! 待て! おまえからじゃねーのかよ!」
「私から? あなたに? チョコレート? はははご冗談」
 この場にジャパニーズトラディショナルなロウテーブルがあったならば、バーナーマンはイッテツ・ホシスタイルで抗議をした筈だった。
「甘いのはお好きかと思ったんですが?」
 ねえ、とマジックマンが笑う。満足げに細められるアイセンサーから、こぼれるセンサーライトに首の後ろがチリチリする。ぬか喜びした様子を見て喜んでいるなど、外道の所行だが、バーナーマンの知る同僚は大概が似たり寄ったりだ。今更過ぎて、そのことをなじろうという発想すら沸かない。
「ったくよぉ…なんだおまえ嫌いなのか」
「さて。味覚粗いんで、多分チョコレートとか新味燃料は、美味しいとかどうか――」
 肩をすくめたマジックマンがさりげなく逃れようとするのを、力を込めて握りしめる。弾みで包みが、ばきりと音をたてて割れた。中から甘い匂いのするオイルが、マジックマンの掌にこぼれて、垂れる。
「あーあーあーもう隙間に入るじゃないですか」
 嫌そうな声で、手を離せと言うのを無視して手首を引き留める。掴んだ手首がぎしりと強張るのを感じながら、バーナーマンはオイルで濡れた掌に顔を寄せた。
 舌を伸ばして白い掌の窪みを撫でると、甘い。
 これはかなりいいヤツだ、とささくれた気持ちが複雑にほころぶのをひとまず置き、べたべたに濡れた中指の付け根を吸った。途端に握りしめられた拳の隙間から流れる琥珀のオイルを舐めて、指の間にちらと舌を這わせば、ひくと手首が震えた。
 この味が分からないとはかわいそうなやつだ。
 美味いのにと口を開きかけたバーナーマンは、顔をあげて、ごくと喉をならした。

「…いや、美味ェよこれ」
「…そりゃよございましたね」
「食えよ」
「結構。どうせよく分からないですから」
「逆に下から食ったら味わかンじゃね」
「変態」
「手で感じてンならカノーセイとしては!」
「ありません」
「でもお前絶対今の軽く勃っ」
「おったててんのはどっちですか変態!!」

 

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2010/02/14 小説 Trackback() Comment(0)

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