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今日はキスの日だと言うことを22時頃に知りました。
ので、30分くらいで突貫でクイフラ書いたよ!
ご、ごめんなさい原稿に戻ります。あうあう
いつも拍手ありがとう御座います!
昨日から、或いは先週末から左側の聴覚器の調子が悪かったのには気がついていた。
放置したのは、右側の聴覚器は正常であり、差し迫った破壊任務がなく日常生活には特に支障がなかったこと。警備システムの見直しと、情報管理ロボットのバージョンアッププログラムの締めきりが差し迫っていたこと。そのあたりが理由だ。
要するに、面倒なので後で、と思っていた。
丸二日徹夜で部屋に籠もっていた為、全く気がつかなかったのだが、いつの間にか聴覚センサーは左右ともダウンしていたようだ。久々に部屋を出たとき、そう言えばドアの開閉音も床との摩擦音も、何も聞かなかったような気がするが、それもこれも頭がぼうっとしていたので全く記憶にない。
廊下の途中でぬっと出てきたクイックにびっくりして悲鳴をあげた、定かではないが多分出てた、辺りで、耳の不調を自覚する。
クイックが口を動かしている。バブルがとか、シマウマがとか、訳の分からないことを話していたような気がするが、内容はよく分からない。
ぱくぱくと魚のようにサイレントで唇を動かすクイックが、珍しく饒舌にあれこれと話す。俺はと言えば、何を言っているのかが全く分からないので、適当に相づちを打つ振りをしながら、ぼんやりとその顔を眺めていた。
何を言っているのか聞こえない状態のクイックは、俺の意識に大分優しい。普段は喋れば厄介なことばかり口を突くので、恐ろしくて、とてもはないがろくろく顔を眺めたこともなかったが、こうしてみると、兄弟機の中でも格段に整った面構えをしているのだと思う。
切れ長の目元が涼やかだ。アイカメラのグリーンが深い。
顎から頬にかけてのラインや、通った鼻筋の微妙な角度などが美しい。博士はいったい何を参考にこれを作ったのだろうか、モデルか俳優か何かだろうか。ああ見てるだけなら本当に目に優しい兄だ。
そうしてぼんやりと、動く唇を眺めていた。
白だの黒だの、クイックは相変わらず訳が分からないシマウマの話を続けており、読めない動きを追うのに飽きて、ただただ惰性で唇を見ていた。形の整った唇の隙間から、白いセラミックの歯が覗き、その薄さに背がひやりとする。
恐ろしく切れそうな、白さがまだきれいに見えて目が離せないで居ると、白い歯は唇に隠れてしまった。話をクイックがやめたのだ。
内心ほっとしたところで、あれと視線を戻せば、絶妙なラインの鼻筋が直ぐ傍まで迫っていた。
綺麗なグリーンと目があう。
珍しくゆっくり触れた唇は、しかしそのまま離れずに押してくる。顎を引けばそのまま、更に顔を近づけようと手も触れぬまま、唇だけ触れあった状態で壁まで追いつめられたことを背中の感触で知った。
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