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大変もうしわけない。
我に返る前にもう一度勢いが止まりませんでした。
続きから、まさかのバナマジ2回目です。
ロクロクはらくらくでクリアできました!
……そこそこでいける自信がない…
ガッツマンステージとかタイムマンステージとか… 黄色の荷台と振り子がトラウマ。
拍手をたくさんありがとうございました!
「お前、女なのか」
件の色々足りない同僚機は、マジックマンの顔を見るなりとんでもないことを言いだした。他の同僚に聞かれていたなら、向こう一ヶ月はネタにされること間違いなしの暴発気味な発言に、マジックマンは一瞬その場に凍り付く。
バーナーのくせに凍らせてくるとはやりますね、些か混乱しながら、マジックマンは間の抜けた顔で見てくる同僚を一瞥する。
「どうなんだ?」
「…今度はどこでなにを覚えてきたんです」
幼稚園に上がると、それまで天使だった子も色んな悪いことを覚えてきて、あっという間に悪ガキになるんですよ、っていう話を前の職場で誰かがしていたのをマジックマンは思い出していた。バーナーマンが天使だったかどうかは知らないが、――というか、マジックマンのシミュレーション能力にも限界というものがあるので、想像するのも謹んでご遠慮させて頂くが、馬鹿がいらんことを鵜呑みにして覚えてくると、ろくなことを言い出さない、という点では大して変わりがないように思えたのだ。
「こないだの話をしたんだけどよ」
「ちょ、」
こないだの、というのは、六日前に胴体が細いのではないかと絡んできた挙げ句に、セクハラ紛いに胴体一帯を撫で回されたあれだ。
己の痴漢行為をなぜわざわざ他言するのかは理解に苦しむが、話し方如何ではマジックマンに累が――既に及んでいる。
「誰に! いえそれよりも、私を巻き込むのは止めて貰えませんか!?」
馬鹿との一蓮托生などは冗談ではない、というか全力でお断りだ。
「まーそりゃ女型なんだし当たり前だろうと」
「は?!」
本当に碌なことを言いだしやがらない。
思わずマジックマンが声を裏返して睨み付けたのも意に介さず、バーナーマンは話を思い出すように指を折る。
「だから手足が細かろうが、腰が細かろうが、火力が弱くて機体が軽くても無理はねーし、その証拠にリボンがついて」
「ちょっと黙んなさい」
取り敢えず、己の精神衛生上、早急にバーナーマンの口を塞ぐ必要が必要があったので、マジックマンは1セットの勢いで、大量のマジックカードを投げつけた。流石に量が多すぎたのか、大半は咄嗟に反応したウェーブバーナーの前に墨屑と消えたが、それでも結構な量がさくさくさく、と紅白の装甲に小気味よく突き刺さる。
「いてーな、なんだよ」
「馬鹿だ馬鹿だと思ってましたが、あなた馬鹿ですね!?」
「誰が馬鹿だ!」
「どうせパイレーツマンでしょう! あの浮かれキャプテンに何与太吹き込まれてんですお目出度いこと!」
バーナーマンはきょとんと目を瞬かせると、「よく分かったな」と不思議そうにマジックマンを見つめた。
「そんな下らないことを他に誰が言うんです」
「なんだ、がせか」
チッ、低く舌打ちをする様に呆れて、マジックマンは盛大に溜息をついてみせる。何だって騙されると分かっていて、わざわざネタを提供しにゆくのか意味が分からない。
「ガセどころじゃないでしょう。あなたね、我々ロボットですよ、種の保存も存続も意味ないんですから雄だの雌だのあって無きがごとしでしょうが」
「……やっぱり女なのか?」
「男女の差が身体特徴にでるわけないでしょうって言ってるんですよ! ボディの云々は制作者の好みでしょうから私に言われても困ります!」
そもそも、人間やその他動物にあっても、身体の大なり小なりは一概に雄の方ばかりが大きいわけでもないし、中身を見ないとどちらか分からないものもある。かまきりなどは雌の方が大きいし力も強い。
交配して増えない以上、ロボットは動物と違って一体一体が別種である、とも考えられる。そうなると個体差は種族差にも等しく、そこまで走ってしまえば、ウサギの雄とキツネの雌はどちらが大きいかという次元であり、比べる自体がナンセンスだ。
とはいえ、ヒト型であることを鑑みての体形として言われても、手足が細くて装飾過多なのは、コンセプト上致し方がない。道化ならともかくとして、マジシャンや悪魔的な造形は、ロボットがただの人形であった頃から、伝統的に細身で中性的なフォルムが多いからだ。
「…この際だから言っておきますけど、私は多少火力が低いかも知れませんけども、技術とスピードがあるので問題ないんです低燃費だし。あと軽量なのは重火器積んでないからです!」
「で、結局おまえ男ってことで良いのか」
「人の話を全く聞いてませんね。……ああ、もう、名前も意識もそうなんで、男ってことでいいんじゃないですか。身体特徴に拘るってんなら胸も硬くて平たいんで。ていうかなんだって今更性別を確認されなきゃならないんです」
「そういやそうだな」
どこにかかる答えか分からない返事を返しつつ、バーナーマンの手が大きく胸部で主張する蝶ネクタイ型の装甲をかいくぐり、その下の胸部パーツを確かめる手つきで撫で回す。あまりに普通の顔をして堂々と手を伸ばしてくるものだから、うっかり接触を許してしまった。
馬鹿との会話は忍耐だと思っていたが、ついに我慢も限界である。
バーナーマンの手を叩き落とし、握りしめたステッキを両手で構えて下から上へ振り抜いた。ゴルフだったら隣のホールまで飛ばした自信がある。
「でッ! 手前ェ!」
「わざわざ改めて確認しないといけないんですか! 馬鹿なんじゃないですか! 馬鹿なんでしたね?!」
「バカバカうるせえ!!」
「ああこれは呼び捨てで失礼しました! おばかさん!」
なんか…なんかマジックマンにセクハラしたいんですよね。
脚がいかんのですよ脚が。性的に過ぎませんか。
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