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2024/03/28

あなたのことがわからない

クイックマンの日おめでとうございます!!

…お、おめでとう… ござます…

※注意※
 ・クイックマンはイケメンで格好良くて素敵ですばらしい。
  という考えをお持ちの方にはお薦めできません。
 ・Q×FというかQ+Fです。びっくりする。
 ・手ブロで書いたネタの元メモです。

 もうほんとおめでとうなのか おめでとうなんですよ!

 そういえば行間についてなのですが、とりあえず動かし方がいまのとこ分からないことと、今のところ見づらい等の報告が無いため、現状でいこうと思います。なにか良い感じにできたら変えるという方向で。

 拍手を、いつもありがとうございます!


再度注意
  クイックマンが不思議ちゃんなのが無理な方はどうぞ…どうぞお控えください!



 シャッターをくぐり、よろめきながら目的地に到着したフラッシュマンは、文字通りばったりと床に倒れ伏した。
 自分の基地と違って、床はひやりとした冷気を返してはくれない。冷たくも熱くもない床は、現在放熱中のフラッシュマンにとっては熱が籠もって、いやな感じだった。
 どかどかと早鐘をならしながらコアがフル回転している。冷却装置もタイムストッパーとフラッシュマンの機体を冷やそうと躍起になっているが、なかなか機体から熱が逃げてくれない。体を冷やすために放熱ファンが頑張って回り、結果、微少とはいえ熱が生まれて僅かに熱を上げることへの矛盾を感じながら、フラッシュは色々な事がだるくなった。
「おまえのとこ来るのほんとやだわあ…」
 ぐったりと床に体を投げ出したまま、フラッシュマンは数メートル先にいる赤い兄機体に向かって呟いた。顔を動かす気力がないので、実際どの辺りにいるのかは、倒れる前にちらっと見た場所からの推算でしかないのだが、恐らく3メートル先で腰に手を当てて立っているはずだ。
「運動不足だ」
 一瞬見えた朗らかに無表情な面は、フラッシュマンの二機前、クイックマンである。

 クイックマン基地の奥の奥、クイックマンの管理部屋までゆくのは、非常に重労働だ。
 ふつう、事前に申請を通せば、誰かしら案内がつくのが各兄弟機が管理する基地の暗黙のルールだ。
 たとえばバブルマンの基地などは、必ず案内がつく。案内を頼まなければ水中に慣れていない者には大変の一言ではおさまらないし、場所が場所なだけに、バブルマン基地での行動不能は危険きわまりないからだ。また、ヒートマン基地も同様の理由で、必ず案内がついた。
 そのことをふまえれば、あのレーザー頻発地帯を思うに、クイックマン基地にも案内というか、先導が必要ではないだろうか。
 フラッシュマンは思うのだが、不思議な事にその案が通らなかった。必要がないというのがメタルマンの意見で、問題がないというのがクイックマンの主張だ。
 タイムストッパーを使用しながらの全力ダッシュを絶対条件とする通行は、本当に問題のない次元なのかとフラッシュマンは不満に思うが、二機揃って駄目出しが出てしまえば、フラッシュマンの要望が受理されるわけもない。
 こっそりと、クイックマン基地のシステムをいじったこともある。
 ハッキングをかけて、事前にレーザーの出力なり位置なりに手を出そうとしたのだ。しかし、それ自体が独立したシステムであるクイックマン基地のレーザーはオンライン状態になることがほとんど無く、侵入経路が限られていた。そのせいで基地で作業の全てを行う必要があり、センサーを切ることはおろか、出力を下げている最中に見つかって大目玉を食らったのは記憶に新しい。
 クイックマンの部下を抱き込もうともしたのだが、クイックマンの所のジョーは、揃って首を縦に振らなかった。存外躾の行き届いていることに感心しつつ、量産機とはいえ、やはり自分の部下とは違うことを改めて感じた。
 別の手段を考えている最中だが、現在はまだ打つ手無しである。
「運動不足とかあるわけねえだろ」
「あるぞ。ラボに詰めっきりだろ?」
「詰めっきりだけど」
「動かさない場所は動きが悪くなる」
 関節の動きがスムーズではなくなる。
 普段使わない数値上の運動性能は理論値であって実際値ではないのだ。使わなければ使わないだけ、「あまり使わないもの」という理由で言葉通り錆び付くのだ。物質的にも、システム的にも、実際と理論との乖離が進むのは褒められた状態ではなかった。
「たまには動かせ。最近肥ったんじゃねえか」
 思ったよりも理論的に諭され、意外性に目を瞬かせたフラッシュマンは、続いた一言がおかしい事に、一瞬気付かず流してしまいそうになった。それはさすがに、ない。
「…いや、ない。ねえよ。運動不足で肥るとか」
 ロボットが食べ過ぎや運動不足でプロポーションに異常が出るわけがない。
「そうか?」
 荒唐無稽なクイックマンの与太を鼻で嗤おうとしたフラッシュマンは、おもむろに下腹をわしりと掴まれて、悲鳴を上げて飛び上がった。
「ィッ! いってえ!」
「このへん柔らかいぞ」
「緩衝材! 脂肪じゃねえよ!」
 元々の仕様がそういうもんなんですう、クイックマンの手を外しに掛かりながらフラッシュマンが吠える。しかし、転がったフラッシュマンの脇腹やら下腹やらを掴むのは容易だった。クイックマンは検分というには力のこもった様子で、弟の腹を摘んだり引っ張ったりしている。
 わしわし。
 わしわしわし。
 だんだん面倒になってきて大人しくするが、一向にクイックマンが手を退かす気配はない。幼児並のしつこさに、フラッシュマンは呆れて溜息をついた。
「…思うんですが。これセクハラだろ?」
「よしマフラーにしてやろう」
「ふざ」
 非難がましいフラッシュマンの言葉を無視して、唐突にクイックマンはフラッシュマンの右肘右膝を掴み、力任せに持ち上げた。
「な、な、持ちあげんな!」
 スピード特化型のスレンダーボディのくせに、クイックマンは馬力がある。もともと、エネルギー負荷を軽減するために金属質よりも繊維強化プラスチック材の多いフラッシュマンは軽量であるため、持ち上げるだけなら恐らく、一般機でも可能だろう。
 そうはいっても、軽々と頭の上まで持ち上げられたフラッシュマンは、みっともなく狼狽えた。
 前後のつながりの分からない奇行には慣れたと思っていたが、まだまだだ。
 まだまだあまかった。
 「よくわからないいきもの」という認識があるだけ、クラッシュマンはまだマシかもしれない。
 爽やかな笑みを浮かべ、一見、常識人然とした風貌のクイックマンは、同じ程度に何を考えているのか分からない。むしろ、見た目がまともに見える分だけ余程対処に困った。
「クイック!」
「おいおい、暴れると叩きつけるぞ」
 落とすでも落ちるでもなく、意図的な墜落を宣言されてフラッシュは体を硬くした。
 その間に、クイックマンは掴んだ手足を大きく持ち上げて布のようにひっくり返し、フラッシュマンの腹が丁度、クイックマンの頭の後ろに来るようにぐるり、と体を頭の回りに巻き付ける。フラッシュマンの左半身を下に、マフラーというよりは服を羽織るような気安さでクイックマンの肩から背中にかけてに乗せられ、フラッシュマンには一言も出なかった。
 いみがわからない。
 真意を測ることを拒絶するかのように、ぎしりと凍り付いて回転を止めたフラッシュマンの頭では、現在の体勢をアルゼンチンバックブリーカー、と認識出来たのがやっとだった。
 ずり落ちそうになったフラッシュマンの肩と膝を支えて担ぎ直し、クイックマンは数歩足を進めた。危なげない様子で部屋の中央を小さく回り、かつこつと指先でフラッシュマンの固い装甲をさすっていたクイックマンは、調子を確かめる足取りでその場でくるりと回る。
「なんでケツは硬いんだ」
「そこは装甲です」
 軽やかなステップに反して、クイックマンはごく真面目な声音でふざけたことを宣う。
 歩きながら膝から移動した手で尻を撫でられ、つまらなさそうに言われてフラッシュマンは茫然自失から立ち直った。
「おい、アホなことしてねえで」
 下ろせ、と言いかけ、フラッシュマンはフギャアと変な悲鳴を上げた。
「あー、ここは柔らかいのか」
「さわ、撫でんな! 痴漢!」
 クイックマンは、フラッシュマンの尻を覆う装甲と大腿の境目が柔らかい事に気付いた。腹部同様、硬質な胸部や肩部の装甲と比べて弾力のある、フラッシュマンの緩衝材は肉感的だ。
 暴れ始めたフラッシュマンが膝で額を狙うと、クイックマンはじわり、と指先で装甲の隙間にかけてをなぞる。その触り方はぞぞぞとフラッシュマンの感覚神経を刺激して気持ちが悪く、フラッシュマンは再びギャッと潰れた悲鳴をあげた。
「隙間に手ェいれんじゃねえ!!」
「腹より柔らかめ」
「おろせ離せ触るな痴漢てめえふざけんなへんたい!」
 必死にフラッシュが喚けば喚いた分だけ、クイックマンは愉快そうに笑う。
 笑いながらぐるぐると回転されて揺さぶられ、フラッシュマンがぐったりと不平を零す気力もなくなったころ、ようやくクイックマンは「だらしがない」という不条理なコメントつきで弟機を解放するのだが、それにはあと二時間ほどかかるのだった。

 

 素体のケツはちゃんと柔らかいよ!
 ……なんかクイックがどんどん変な人になるんですけどどうしたらいいですか。
 当管理人は、クイックマンのことを戸惑うくらい心の底から格好良い、と思っています。きり。
 

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2009/09/19 小説 Trackback() Comment(0)

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