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2024/03/28

アクセルは常にベタ踏みです

中秋の名月が大変美しい日にこのようなものを投下するのは、大変憚られるのですが。
既に様式美となりつつある、通り魔バーナーと船長シリーズを投げ込ませて頂きます。

バーナーがパイレーツに延々妄想を垂れ流すシリーズ

【ご注意】
・バナマジ前提。基本的に会話文のみ。
・そろそろこいつどうにかしry
・船長たまには爆弾を直で叩き込まないでリモートで使って下さい

2011/11/09若干加筆修正



「…マジックに会いてえ」
 ぶすぶすと音を立て、火種がようやく沈下へとむかっている。見渡す限りの焼け野原で、バーナーマンは遙か遠くを見る目で切なげに言った。
「ああそうかい」
 つきあったところで何の特にもならないことを心得ているパイレーツマンは、見るからにうんざりと、なおざりな相づちを打った。
「会いたい」
「そうか」
「顔が見たい」
「………」
 パイレーツの生返事など聞こえていないのか、バーナーマンは雑な返事をものともせずに訴えを重ねる。そもそも聞く気がないのかもしれない。訴えのようでいて、バーナーマンは独り言としてつぶやいているようだった。
 そもそも、訴えられたところで現在パイレーツマンがどうにか出来るわけでもない。お門違いも良いところだ。
 本人に言えだとか、帰ってから好きなだけしろだとか、しごくまっとうなことを言ってやる気さえ起きず、くだらないことを聞かせるなと言うのも面倒で、無視を決め込むのがせいぜいだった。周辺警戒のため、聴覚センサーをオフに出来ないのが、これほど苦痛なのも久しぶりだとパイレーツマンは思う。
「声聞きたい話したいさわりたいさわりたい抱きしめたいむしろ抱きたい嗅ぎたいな」
「やかましい!」
 無視を続けていると、バーナーマンはぼそぼそと呟いていた言葉を、徐々にグレードアップさせ、内容ばかりか音量をも上げて行く。ついに咆えよとばかりに声を張ったところで、パイレーツマンのモチベーションを著しく下げる呪文を遮り、鼻息の荒いバーナーマンにリモートマインを直で叩きつける。
 くぐもった破裂音とともに、バーナーマンが派手に後方に吹き飛ばされた。バーナーマンは地面に仰向けに転がったまま、五分ばかり沈黙していたが、のそりと起きあがると、がちゃがちゃと不穏な音を立てて定位置に再びついた。
 いっそそのままいじけていれば平和なものを。パイレーツマンは小さく舌打ちをした。
「声聞きたい」
 懲りない奴だ。
 横でたぎられてもうっとうしいが、恋情の炎に身を焼いて悶えられるのも気色が悪い。可能ならば今すぐ潰してしまいたいし、この場から離れたいが、そうもいかないのが忌々しいことだ。
「………なあ」
「アア?」
 殊勝な声を出したバーナーマンに対して、パイレーツマンは語尾上がりのチンピラじみた音で返答した。いい加減、苛々も限界である。
「おまえマジックの声真似できたよな」

「は?!」
 あまりにも、あまりな発言に対して、パイレーツマンは三秒ほど思考回路が固まった。絶対にそちらを向くまい構うと面倒だから、とバーナーマンの方を見ないようにしていたものを、思い切り顔ごと向けてアホ面を拝んでしまった。
 案の定、期待に目を輝かせた馬鹿がこちらを見ていた。
「ちょっとやって」
「は?! ふざけろ!? 断固拒否する!!」
 かわいこぶりっこをした(そして可愛くもない)小首を傾げる仕草でおもねってきたバーナーマンをばっさりと一言で斬り捨て、パイレーツマンは思わず距離を取った。吐き気がする、口内のオイルを地面へ吐きすてれば、バーナーマンがチッ、と低い舌打ちを洩らす。
「………」
「………」
「マジックに会いてえ顔見てえ声聞いて触りてえ撫でたい揉みたい揉みしだきたい舐め」
「声帯引きちぎらせろ!!!!」
「何も代わりにやらせろって言ってんじゃねえんだしいいじゃんかよ」
「不愉快だ! はきそうだ!」
「もう三週間もおまえの顎面しか見てねえんだぞ」
「ガス管詰まらせて爆発しろ」
「声っくれえいいじゃねえかよケチケチすんな」
「貴様の劣情の解消役なぞ誰がやるかふざけるな! 汚ェ花火でせいぜい大気でも汚してろ屑が」
「バーナー好き好きちょう愛してるっつって」
「口が腐る」
「我慢できない今直ぐ接続したい」
「我慢できないのは貴様だ」
「あなたが欲しい抱いて酷くして」
「耳が! 腐る!!」
「俺だってお前に言われてェわけじゃねえよ!!」
「三週間我慢出来たんならもう一週間くらい我慢しろ!」
「むり。もうむり。だめ。まじ限界。だいたいもう三日くれえタイキタイキタイキで偵察いっぴきこねえじゃんか、ストレス発散も出来ねえし横見れば顎だしピンクだしテンション下がってる。マジックに会ーいーてーえー」
「限界なのはお互い様だ。近寄るな暑いうっとうしい」
「なあもう帰ろうぜェ、もうこねンじゃねえ? オシマイにしてさあ」
「駄目だ」
「早く帰りてえよ」
「俺だって貴様とこれ以上同じ空間に居たくない。論理回路が劣化する」
「いやしが欲しい。マジックの脚に顔はさみてえ」
「耳が腐ると言ってるだろうが死ねカス」
「腰しがみつきたい癒されたい」
「貴様いい加減にしろよ」
「溜まってんだよ! ガス管爆発する前に下部コネクタが熱暴走で破裂する!!」
「今直ぐ爆散しろ!!」


パイレーツって付き合い良いなあ

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2011/09/13 小説 Trackback() Comment(0)

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