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2024/04/24

ステープルチェイサー

まだまだ暑うございますね。
皆様いかがお過ごしですか。私は去年よりは元気な気がします。
サマソニは驚くほどご飯をたべなかった、という。だって沖縄そば?とかき氷しか食べてない。
いや、混んでたんです。あと単純に時間がなかった。
ほるもんと×日本の調教されっぷりが面白かったです。
れっちりはフリーがフリーになりませんでしたがかわゆかったです。

さて、本日の更新はエアーとフラッシュとスネークです。CP色ないです。
フラッシュとスネークは顔見たことあるぐらいの距離です。

先日の更新や、お知らせなどにパチパチをありがとうございました。
後から来る夏ばてもあると聞きますので、皆様引き続き体調にはお気をつけ下さいませ。




 エアーマン基地は、屋外と屋内が複雑に入り組んだ作りをしている。エアミストスクリーンに投影された青空や周囲の景色は、その境目や通路を巧妙に隠し、注意していなければ屋内領域の存在にも気づかないだろう。
 注意して歩いてたところで、いやらしく張り巡らされたセンサージャマーによって、すべての境目を見つけることは困難を極める。その開放的な印象に反して、実際のエアーマン基地の中枢部は、ひどく閉鎖的で入り組んだ迷路になっているのだった。
 旦那、呼びかける声にエアーマンとフラッシュマンは揃って振り向いた。
 時計を確認したエアーマンが視線を向けると、チッ、低く舌打ちをしたフラッシュマンは、手元のコンソールから手を離す。
 屋外パネルへ続く、雲で隠蔽された通風口から這い出てきたのは、一世代下のナンバーズ、DWN022スネークマンだ。
 潜入活動に特化した後輩機は、さすがに電波妨害やセンサー欺瞞などものともしない。毎度のことになるが、それらの隙をかいくぐってやって来る手並みは見事なものだ。
「あれ、珍しいおひとがいらっしゃいますね」
 体の埃を軽く払って起ち上がったスネークマンが、深く顔に覆い被さるメットの隙間で目を細くした。
「どうもフラッシュマン。ごきげんよう?」
 体の脇に下ろされた手を、人差し指から順に折ってひらひらと蠢かせるスネークマンを見ながら、フラッシュマンは不機嫌そうに鼻溜息で応じる。
「さっきまではな」
「あら大変だ」
 お邪魔でしたかね、と言いながら、スネークマンの大きめの口からはみ出た赤い舌が、メットの先端――蛇の鼻辺りを舐めて引っ込む。舌がはみ出て引っ込むまでが、殆ど一秒で行われる様は、本物の蛇の仕草とよく似ている。
 お前にヤコブソン器官はねえわとフラッシュマンは、やや八つ当たり気味に眼差しをきつくした。しかし、それが、フラッシュマンを前にして、スネークマンが見た目に似合わず警戒、あるいは緊張しているが故の仕草だと言うことを察していたので、じったりと睨むだけで止めておいてやった。
「……ってか旦那ァ、あんた来いって言っておいて、侵入者対策が酷ェ堅くなってるってどういうことです。なにあれ。あのえげつない罠」
 不機嫌な顔をさらすフラッシュマンから視線を外すと、スネークマンはうんざりとした顔をエアーマンに向けた。エアーマン基地が迷路なのは周知の事実だが、スネークマンが呼びつけられるたびに、底意地の悪い罠が新調されているのだ。
「動作確認に呼んだんだ。言ってなかったか? いいタイムだったな」
「抜き打ちじゃなかったことってありましたっけ」
 不満げに口を曲げるスネークマンへ、エアーマンは駄賃とばかりにE缶を投げてよこした。見慣れたブルー缶に書かれた「E」の文字の、中央を横切るように金の筆記体でエクセレント、とある。
 スネークマンは市販品でない、見たことの無いE缶をドクターワイリーからではなく、主にエアーマンから渡されたことが幾度かあった。最初こそ「ドクターから」と言っていたエアーマンだが、スネークマンは既に、これがなにかの試作品なのだということを理解している。
「どうした」
「遠慮すんな」
 胡乱げなスネークマンの視線を、エアーマンは涼しい顔で流し、フラッシュマンもまた同様に何食わぬ顔で飲むように促した。あやしいものだ、とスネークマンの顔には書いてある。
 エネルギー補給関係で、害になるものをエアーマンがスネークマンに与えたことはなかった。だが、一度尻尾を掴んで以来、ずるずると体の良いパシリに使われている身としては、下手なものを貰うのは後が怖いのだろう。
「……有り難く頂戴致しますが、シャドーじゃあるまいしこんなので誤魔化されませんからね」
 そうは言っても、スネークマンの体力的に、E缶は魅力的な差し入れだったようだ。その場で缶を開けると、ごっごっと音を立て、一息に流し込む。
「おにいさまったら信用がないねえ」
 フラッシュマンが口端で笑うと、エアーマンは素知らぬ顔で胴体のファンをカラカラと回した。
「おればっかり実験台にすんの止しましょうよ。シャドーだっていいでしょ、先輩方だって」
「シャドーにジャミングが効けば考えるがなあ」
「先輩方だァ? お前誰に何させる気だ? メタルだと平均過ぎてつまんねえし、クイックは最初に決めた方向に走るだけで来るかどうか怪しいモンだし、クラッシュとヒートは辺り構わず破壊しながら進むだけで潜入じゃねえよ」
「メタルがいないと良く回るなお前の口は」
「アラしんがーい」
「先輩がたンとこの暴力制裁主義はどうにかならんのですか。おれ怖くてようよう口も挟めませんよ」
「暴力主義なのは上だけだ」
 野蛮人どもと一緒にされちゃかなわん、と独りごち、フラッシュマンは画面に映るオブジェクトがデータの保存をしたことを確認してから、コンソールに繋いでいたケーブルを外す。長いケーブルは音もなく、バスター脇の格納庫にするすると吸い込まれていった。
「まあまあ良いデータだったかな」
 じゃあ、と部屋を辞去しようとしてフラッシュマンの腕を捕まえ、エアーマンがその顔の前に掌を差しだす。
「ん」
「ん?」
 掌を上にして、ほら、と何かを催促するような動きを見て、フラッシュマンはよく分かりませんとばかりに白々しい笑顔で首を傾げてみせた。それを淡々と見返すエアーマンが手を下ろさないのを見て取ると、フラッシュマンは兄機の手をそっと握り、軽く上下に振った。
「ナイストゥーミーチュー」
「ナイストゥーミーチュートゥー」
「じゃあそういうわけで」
「初めましてそしてさようならじゃ暗殺台詞だろう。いいからとっとと金をよこせ」
 見合って爽やかに笑顔を浮かべたフラッシュマンが再度、速やかに踵を返した首をガッチリと掴むと、エアーマンはしつこく掌をフラッシュマンに差しだした。首根っこを掴まれて逃げようもないフラッシュマンは、往生際悪く藻掻いていたが、大きく排気をすると、ようやく諦めたのか抵抗を止めた。
「くそ……このへびめ」
 恐ろしい顔でスネークマンの方を向き、鋭い舌打ちを鳴らすと、何処に隠し持っていたのだか、ドル札を数枚エアーマンに叩きつけるように渡す。一連の様子を見ていたスネークマンが、何故睨まれたのかの見当をつけつつも、居心地悪げに視線で問う。傍のピピを貯金箱代わりにでもしているのか、大きく開けたクチバシの中に札をねじ込んだエアーマンは、あっけらかんと答えた。
「動作確認だけじゃ面白くないからな。儲けさせて貰った」
「言っておくが私物だからな! くっそ絶対第二上昇地区のトラップで十分はロスすると思ったのに。このへび。空気よめ。腕利きか。敏腕かこのやろう」
 フラッシュマンの言葉の内容は、どちらかと言えば褒めているようだったが、どうにもその呪うような視線と、呪詛めいた呟きで、複雑なことになっている。どういう反応を返したものか、スネークマンは困惑してフラッシュマンとエアーマンを交互に見た。
「褒めるか怒るかどっちかにして下さい。……ちょ、あれあんたなんですか!?」
「あんなえげつないトラップ、フラッシュに決まってるだろう」
「バブルかもしれねーだろ」
「しれっとした顔でおっそろしい! いくら俺がテフロン加工済みだからってフッ化水素酸散布とか! 殺す気ですか?! コアまで冒されるわ!」
「加工してたならいいだろ? 申請してたの知ってたし」
 そこまで鬼じゃありませんよ、とフラッシュマンは、きょとんとした顔で宣った。
 その様子に、スネークマンはフラッシュマンを先輩機八機の中では比較的、常識のある方だと思っていたが、データを更新することにした。
「加工だって完全に安全ってわけじゃないんですからね…見てくださいよちょっとここおれのセンサー!」
「二つに割れてる」
「元々です。違います融けてるでしょ!」
「ちょっとだろ」
「超高感度センサーにちょっとなんてありません!」
「舌出してっからだろ」
「センサーだっつってんでしょ!」

 野蛮人の中での比較的常識人は、常識人の中に置いたら普通に野蛮人だ。


*****
エアーは「こいつら漫才コンビだな」とか思ってる。
3ボスもボスなのに2ボスの部下みたいな扱いにしちゃってすんません。
エアーは影と蛇をパシリにしてるんだよ。フラッシュは蛇を狙ってたんだけど(部下に欲しい的な意味で)エアーに横取りされてて実は密かに根に持ってるけど言わないよ。
あと管理人は「えあーさんまじかっけー」と思っているけど「まじかっけー」の中には「ろくでなしだなこいつ」という気持ちが多分に入っているよ。

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2011/08/26 小説 Trackback() Comment(0)

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