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2019/08/24

いたくしないから


ワン、ツー、スリー! で奇術の日だそうです。
ゆえにマジックの日ですね。おめでとうマジック!
手品と関係のないネタだけど、おめでとうマジック!

【注意】
 バナマジです。
 けもみみとかアウトなひとはごめんなさい。
 軽いノリで。

Q.なぜろぼっとにけもみみをたしたのですか?
A.けもみみに興味はありません。しっぽ。けもしっぽこそ正義。

Q.はんせいしてますか?
A.しょうじきわりとごめんなさい。

一個前のマジック捏造に拍手ぺちこぺちこありがとうございました!
い、いいの? ごりごり推していっても、いいのか…
たいへん、心強く思います…!
ほかの記事にも、いつもありがとうございます。




「…なんだソレ」
 十日ぶりにキングの本拠地へ顔を出すと、作戦会議室という名目の談話室には、コールドマンとマジックマンという些か珍しい組み合わせが見られた。テーブルの向こう、入り口に向かって立っていたマジックマンは、バーナーマンが入ってくるところから目をぎゅうと絞り、ああ面倒くさいのに見つかったという顔をする。
「何でもないですよ」
「どっか行け」
「何だア?」
 邪険にされるのに全く堪えた様子もなく、じろじろと、無遠慮な視線でバーナーマンはその珍奇なものを見つめた。
 コールドマンのフラットな頭の天辺には、行儀良く白い三角がならんでいる。
 マジックマンの帽子のサイドには、狭そうに濃紺の三角が生えている。
 たまにぴくりと動くそれ、その三角形を、それぞれひとつずつ掴んで無遠慮にぐいと引っ張ると、思ったよりもしっかりとくっついた感触があった。その所為で、ふたりの頭を力任せに引き寄せたような形になってしまい、左からは無言で氷の壁でプレスされ、正面からはカードのつぶてを雨あられと注がれ、バーナーマンはその場に沈んだ。
「………死ぬか」
 ぱきぱきと音を立てて、コールドマンの足下から放射状に床が凍りはじめるのを、這いつくばったまま慌てて後ずさって避ける。絶対零度の男は不愉快そうにバーナーマンを睨み、低い低い恐ろしい舌打ちをひとつ漏らした。
 思った以上に不機嫌なコールドマンから距離をとって、マジックマンに何なんだよと聞けば、こちらも違わず不機嫌な声音で、フンと鼻を(見たことはないが)鳴らされた。
「知りませんよこっちだって。なんの冗談ウィルスだか」
「ウィルスなのか?」
「他に何だって言うんです」
「まかいぞう」
 ぴりぴりとした口調のマジックマンに、ぎろりと睨まれて、バーナーマンの喉から首筋を伝って脳天までを、ぞわりと電気が這ったようだった。見たこともないほどギスギスと神経を尖らせているマジックマンは、コールドマンが二機いるのではないかというほど冷たい空気を放っている。
 両方から地獄のような舌打ちを頂戴して、しかしバーナーマンはさほど堪えた様子もなく、へえ、ほお、と興味本位に距離を詰めた。
「なんつーか、ごてごてしてんなァ」
 帽子だわ縁の厚いマスクだわ耳だわ、呆れているのか感心しているのか分からない声で言われて、何とでも仰いとマジックマンは吐き捨てた。白い三角形が、やや伏せ気味に後ろ側を向いているコールドマンも、フンと鼻で嗤うような音がして、バーナーマンには目も合わせない有様だ。
 要するにバーナーマンになぞ構っている場合ではないとばかり、二機はテーブルモニタを睨んでいる。モニタを四分割した、それぞれ別の情報やら数列やらが、滝のように流れるのを追っているようだが、バーナーマンには正直なんだか分からない。時折、だらだらと流れる文字の合間を縫って、パイレーツマンから入る通信では、データの容量がどうだの、形式がどうだのガラパゴスが云々と、忙しないことこの上ない。
 余談ではあるが、頻繁に掛かってくるパイレーツマンとの通信は、ずっと音声のみで行われている。最初の通信でパイレーツマンが出来の良い悪夢だと言って笑い転げた所為だ。
 より正確に言うなら、笑い転げたパイレーツマンの映像をマジックマンが切り裂いたからであり、カメラをコールドマンが氷付けにしたからだ。
 いわゆるねこみみ等というふざけた格好のロボットが二機、鬼のような無表情をさらしてモニタを睨んでいる様子を見れば、パイレーツマンでなくても笑いたくはなる光景だ。実に間が抜けていた。
 しかしながら、そういった事情をバーナーマンが知るはずもなく、また部屋に充ち満ちた二機の殺気紛いの苛々を察する機微もない。果たして、迷惑がる二機を気にする様子もなく、暇そうにテーブルモニタを眺めたり、不随意に動く耳を物珍しげに眺めていた。

 流石にそろそろ手持ち無沙汰になってきたころ、バーナーマンの視界をひら、とかすめるものがあった。
 バーナーマンはハッとして、辺りを見回した。
 ひらりひらりと揺れる白いそれは、意外に低い位置で見つかった。コールドマンの後腰よりやや臀部に近い辺りから長く下がっている。
 尾だ。コールドマンの装甲と同じ、青みがかった白いつるつるとした質感の尾は、綺麗な8の字を繰り返し繰り返し描いていたが、バーナーマンの視線に気付くと、一瞬で氷を纏った。
 ビシリと音を立てて尾にまとわりついた氷が、枝分かれして四方へ広がり、毛を逆立てたように見えるのが見事だった。
 ということは、バーナーマンは視線をマジックマンの方へ移す。
 若干の期待が籠もるのには無自覚なまま、バーナーマンはそっとテーブルの角を挟んで隣にいるマジックマンを覗き見た。
 先程掛かってきたパイレーツマンと通信で話すマジックマンの背後で、彼の会話の抑揚に合わせ濃紺のもっさりとボリュームのある尾が、ひらりひらりと左右に動いている。
「………」
 興味本位で、バーナーマンは更にマジックマンの後ろへ移動する。何かを察したコールドマンが、同時に彼らから離れる動きで移動したが、バーナーマンには既にどうでも良いことだった。
 思った通りに、マジックマンからもまた、尾が生えていた。ゆら揺れる箒のような太い尾は、脚部との境、厚くなった装甲の丁度上辺りから、優雅な曲線を描いて下がっている。
 コールドマンのロープのような尾に比べ、マジックマンの尾は先細りの、太い筆型をしている。マットで艶感のない表面からは柔らかいのか硬いのか、一見したところではよく分からなかった。
 よくよく見れば、どうやら非常に細かいファイバーの集合体である尾が、頭部の三角耳がぴこぴこと動くのと同様、マジックマンの感情の起伏と連動して動いている。太さの分だけ重そうな動きはコールドマンほど警戒ではなかったが優雅で、声が殺気を帯びると、先端はぼんやり剣呑な光を灯すのだった。
 不意にゆうらりと揺れた尾に誘われたように、バーナーマンはマジックマンの尾を掴んだ。
「ギャッ!」
 予想以上の悲鳴を上げたマジックマンが飛び上がるのも構わず、力任せに尾を引っ張る。
 密集した細くコシのあるファイバーは、方向が揃っていて表面は滑らかだが、その隙間へ指を差し込めば、埋もれるほどに柔らかい。しかもそれだけでなく、コシのあるファイバー群は、やんわりとバーナーマンの手を押し返す。
 不思議な質感に思わず力を込めると、マジックマンがまた叫び、尻尾は半ばまでピリピリとぎらついて光を放った。
「いだだだ痛い! いたいって言ってるでしょうが!」
「…何で神経繋がってンだ?」
「こっちが知りたい!! ええい手を放しなさい!」
 バーナーマンの力加減が下手な所為で、尻尾を引っ張り回される形になったマジックマンは、カードやらボールやらをつぶての如く投げつけてきた。腕と脚の装甲に数枚のカードが刺さったものの、バーナーマンは振り返ろうとするマジックマンの腰を抱え、テーブルに押しつけてひとまず抵抗を封じることに成功した。
 どうやらふっさりとしたファイバー群は、芯となる細い尾の回りに密生しているもののようだ。
 マジックマンが痛がるのはその芯の部分だろうと察しをつけて、バーナーマンは尾に埋める指を芯から離し、半ば程まで引き抜いてやった。隙間なく集まるファイバー群へ指を埋めると、程よい弾力と、掌や関節の隙間をさらさら撫でる感触が、細かく針で辿られているようで堪らない。
「アー、これ、スッゲ気持ちいい。やべえ」
「私はすっごく気色が悪いんですが?」
 背後から肩の装甲の隙間にアゴを乗せ、うっとりと囁けば、対してマジックマンから返ってきたのは反吐が出そうだという語調の返答だった。そして、ほぼ同時に通信機から響いていた、パイレーツマンの声がぷっつりと途切れ、マジックマンがステッキの柄で膝を陰険に繰り返し突いてくるのが些か痛い。
「力いれてねえだろ、もう」
「そういうことじゃないんですよ」
 ぐるりと尾を曲げさせ、太腿の側部に尾を押しつけながらわさわさと尻尾を撫で倒していたバーナーマンは、余程尾をいじられるのはイヤなのかと内心で首を捻る。しかし手を離す気にもなれないでいたバーナーマンは、ふと、そういえば尾の付け根はどうなっているのかと考え、指を尾の付け根へ滑らせた。
「……ッ、き」
 ファイバーの向きを逆撫でる感触にマジックマンが鋭く喉を鳴らし、辿り着いた場所の際どさに、バーナーマンもまた、マジックマンとは別なやり方で喉を鳴らす。
「…何だコレ。ちょっっっと付け根どうなってんのか見たい!見せろ!」
「なにとち狂ってンですか!! ッア、アダダ引っ張らない!!」
 慌ててばさばさと動かすマジックマンの尾を、バーナーマンが力任せに鷲掴む。力任せに尾を締めあげてくるのみならず、尾と腰の付け根を思い切りまさぐられ、マジックマンは悲鳴を上げた。
「あ、わかった、コレおまえ感じ「コールド!! コールド! こいつ凍らせて下さい!! 変なところを触らないように!!」
 藁にも縋る思いで、マジックマンはテーブルの対角線でモニタを見つめ続けるコールドマンへ助けをこうた。
 視線をツイとあげた同僚は、その頭頂の白い耳を僅かに後ろへ向け、ひんやりと応じる。
「穢れそうでいやだ」
「コールドォオオオ!!!」
 

********
ケツにインするタイプのしっぽじゃないです。
(言いたいことはそれだけか)(それだけです)

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2010/12/03 小説 Trackback(0) Comment(0)

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